メールを誤送信してしまった場合の情報漏えいのリスクと対策 – メール・ファイル復元 | 企業の不正調査

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メールを誤送信してしまった場合の情報漏えいのリスクと対策

投稿日:2021年1月29日 更新日:

メールを出す相手を間違えて送信してしまったことはありませんか。
家族や友人との間の誤送信なら笑って済ませられる場合もありますが、ビジネスシーンでは情報漏えいなどの致命的な状況につながりかねません。

今回の記事ではメールの誤送信が起きる原因やそのリスクを解説し、送信ミスを防ぐための対策について紹介します。

メールを誤送信する原因と送信ミスが起こりやすいケース

時間に追われて急いでメールを送信するときには、宛先をきちんと確認しないまま送信ボタンを押してしまいがちです。
難しい案件の場合など、メールの内容ばかりに気を取られてしまって全然関係のない相手に誤送信するミスもありえます。

理由はどうあれ、結局は「確認不足」という言葉に集約されますが、このようなヒューマンエラーを完全になくすことは不可能です。

誤送信が起こりやすいケースを把握し、各々がメールの送信前にしっかりとしたチェックをするほかはありません。

ケース1

送るべきでない相手にメールを送ってしまうケースでは、単純な宛先間違い一斉送信の設定ミスがあります。
宛先間違いは、アドレス帳の名前が同じ、もしくは非常に似ている場合や、メールアドレスが酷似している場合によく起こります。

ほかにも、同時間帯に複数の相手とメールのやり取りをしているときなどは、本来送るべき相手と違う人に誤送信しないよう注意しなければなりません。

一斉配信の設定ミスとは、ToやCcあるいはBccのつけ間違いです。
例えば、送信対象でない人のアドレスをCcまたはBccに含めてしまうと、情報漏えいにつながる恐れがあります。また、Bccをつけるべきなのにつけなかった場合は、その人のメールアドレスが受信者全員に知られることになるため、個人情報保護の観点からは問題です。

ケース2

宛先とメールの内容が合っていても、間違った添付ファイルを送信してしまうケースもあります。

送ったファイルに社外秘の情報が含まれていたり、顧客情報が書かれていたりしたら大変です。相手に「中身を見ずに破棄してください」とお願いするしかありませんが、悪用されないという保証はどこにもありません。

特に複数のファイルをメールに添付するときには、送るべきでないものが混ざっていないか十分に確認をしてから送信しましょう。

メールの誤送信によって引き起こされるリスク

メールは重要な情報をやり取りするために使用されるため、誤送信は情報漏えいの危険性を高めます。

実際のところ、世界全体の情報漏えい事故原因の2割程度はメールの誤送信です。送信ミスで機密情報や顧客情報が流出してしまうと、業界内での競争力は落ち、信用も低下します。

特に個人情報の漏えいは公表する義務もあり、場合によっては多額の損害賠償をしなければならなくなるでしょう

たった一度のメールの誤送信が、その企業に大きなリスクや損害をもたらすことを理解しておかなければなりません。
個人使用の範囲であっても、メールの送信ミスはさまざまな問題を引き起こす可能性が高いです。自分のメールアドレスが悪徳業者に知られれば、たくさんの迷惑メールやダイレクトメール、フィッシング詐欺メールなどが届くようになります。

氏名や住所、電話番号のような個人情報が悪意のある人の手に渡ってしまうと、なりすましをされたりネット上に公開されたりする危険性もあります。

クレジットカードやキャッシュカードの番号とパスワードなどは誤送信したときに不正利用されるリスクが高いので、家族間であってもメールでのやりとりは避けましょう。

メールの誤送信を防ぐには

企業においては、メールの誤送信が情報漏えいにつながると認識してしっかりとした対策を講じるべきです。

ヒューマンエラーをゼロにするのは困難ですが、限りなくゼロに近づけるように社内での取り組みを進めていきましょう。
社員個人がメール送信時のチェックリストを作成して、毎回確認をとるだけでも誤送信が少なくなります。
チェック内容は宛先やCc、Bccの確認、メール内容と添付ファイルの内容確認などです。

重要なメールなら送信前に同僚に確認してもらったり、上司宛にもCcかBccで送ったりするのも送信ミスの抑止になります。

経営者側としては、ヒューマンエラーが起こる前提で対策を考えることが望ましいです。メールの暗号化や誤送信を防ぐツールを導入するなどのシステム面のほか、個人情報や機密情報をメール内容に含めないなどのルール面の整備も送信ミス防止に効果を発揮します。

添付ファイルの容量を制限するほか、機密情報や顧客情報のデータファイルの取り扱いを限定的にするなどして、外部に重要な情報をメールでは送信できないような仕組みを作ることも有効です。

これらの対策は、社員がメールの誤送信を装って故意に情報漏えいをおこなうことも防げる場合があります。情報セキュリティを高めるうえでは、ヒューマンエラーに対処することと同時に不正行為がおこなわれにくい体制を整えることが重要です。

機密情報へのアクセスログやPCの操作履歴などもチェックできるようにすれば、総合的な情報漏えい対策へと昇華させられます。

メールの誤送信対策から総合的な情報セキュリティ対策へ

メールの誤送信のケースはいくつもあり、その要因もさまざまです。どの場合でも基本的には人為的なミスによるものであるため、完全になくすことは難しいでしょう。

しかし、情報漏えいという大きなリスクにつながる恐れがある以上、企業はメールの誤送信が極力なくなるような万全の対策をとらなければなりません。

メール誤送信の対策は総合的な情報セキュリティ対策の足がかりとして、機密情報や顧客情報を守る仕組みづくりにもつながります。

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